【インタビューvol10】“演じる”ではなく“生きる”──KONが挑む、実写の魂を纏うコスプレ道【コスプレイヤーインタビュー】

インタビュー記事
モバイル広告

こんばんわ!五十嵐赤鬼です!
今回はコスプレイヤーの【KON】様を紹介させていただきます!
リアルな質感、身体で語る演技、命を削るような執念──その一枚の写真に、どれだけの覚悟が宿るだろう。
コスプレイヤーKONが目指すのは、ただの“再現”ではない。俳優を通じて命を吹き込まれたキャラクターの「生」を、三次元の世界に正確に、そして魂ごと引きずり出すことだ。

東京・大阪の大型イベントで注目を集める中、話題となったのは劇場版『るろうに剣心』の緋村剣心。返り血の位置までミリ単位で再現された衣装、殺陣の鍛錬を経た動き、そしてリアルを追求するための美容・生活習慣までも含めた“本気”の姿勢は、多くの来場者の目を奪った。

コスプレを単なる趣味で終わらせず、「自分の存在証明」として昇華するKONさん。
その真意と、コスプレに懸ける圧倒的な情熱について──今回はKONさんに独占インタビューさせていただきました。ぜひご覧ください。

モバイル広告

インタビュー

赤鬼

今回はインタビューに応じていただきありがとうございます!
まずは簡単に自己紹介をお願いいたします。
ハンドルネームの由来や、普段の活動ジャンルなどがあればぜひ教えてください。

KON

初めまして!KONと申します。かっこいい俳優や武器が大好きな令和青年コスプレイヤーです。活動ジャンルは実写化されたアニメのキャラクターを演じた俳優さんの再現という少し変わったジャンルで活動(今後も予定)しています。主に関東を中心として全国各地の大型のコスプレイベントに出席しています。
ハンドルネームの由来は深海の様な深い青色が昔から好きでそこからとりました。
好きな事は映画(主に実写)を見る事で、ハマった映画は骨も残らない位見返します。殺陣や派手なアクションシーンが特に好きで、部屋で動きを再現したり、セリフをトレースしたりします。なのでよく家具や壁が傷つきます。笑

赤鬼

なるほど!次にコスプレを始めたきっかけを教えてください。
最初にコスプレしたキャラクターについても可能であればぜひ!

KON

コスプレを始めた時期は、3年前の2022年4月の幕張メッセの大型サブカルチャーイベントで初めてコスプレをしました。きっかけは、とある方の大好きなキャラクターになりたいと思った事です。同じイベントに出席していて、その方を驚かせて見たい!と思った事が理由です。一般の方からも声掛けられ、誰かの好きな物や自分の好きな物を三次元に体現できるコスプレという文化に深く感銘を受けて、趣味として取り組むようになりました。
私の最初の方にしたコスプレは、犬夜叉です。母親が好きだった作品で、私も幼少期の頃から隣でお菓子を食べながらテレビに流れる犬夜叉をジーッと見ていました。
そこからなのか定かでは有りませんが、和の雰囲気が好きになり、大学生の時には日本舞踊を習っておりました。着物などを着たりする事が好きです。

赤鬼

コロナ禍が開けたタイミングくらいでコスプレをし始めたのですね!
次に「本気でコスプレに挑んでいる」とのことですが、その“本気”の中身について詳しくお聞かせください。

KON

そうですね。趣味から本気になった理由は、信じていた人との関係が思いもよらぬ形で変わってしまった事がきっかけです。
それ以降「自身の存在証明」及び「界隈における自身のアイディンティティの確立」を目標に掲げて今年からコスプレに本格的に取り組むようになりました。
その始まりのコスプレが3月に東京ビッグサイトで行われたAnimeJapanで披露した劇場版るろうに剣心、緋村剣心のコスプレです。
上記二つの目標を叶える為に、これまで誰も見た事が無い斬新なジャンルで、今までのコスプレの常識を超えたクオリティでやる必要がありました。自分の美容治療から始め、内面的な殺陣の練習をしたり、コスプレをする上での土台作りから始めました。持てる環境や資金を尽くせる限り使って半年ほど時間をかけて返り血の配置や傷跡をmm単位で再現した衣装を制作しプロモーション用の撮影を経て、満を持してイベントに臨みました。
大前提、自分もその作品が大好きであると言う想いを大切にしつつ、見た人が現実かどうかわからなくなる位感情を動かせる様に想いを込めて本気でコスプレに挑んでいます。

赤鬼

イベントで撮影してても思いましたが、衣装の再現度や雰囲気がとても素晴らしいなと驚きました!

劇場版るろうに剣心:佐藤健 / 緋村剣心(撮影者:五十嵐赤鬼)
劇場版るろうに剣心:佐藤健 / 緋村剣心(撮影者:五十嵐赤鬼)
劇場版るろうに剣心:佐藤健 / 緋村剣心(撮影者:五十嵐赤鬼)
赤鬼

更に深堀りさせていただきたいのですが、衣装やウィッグ、小道具などはどのように制作・準備されていますか?こだわりや工夫されている点があればぜひ!

KON

全体的に周りのプロフェッショナルな方々の力を借りながら制作に挑んでいます。
ウィッグは自分は素人なので、普段から通っている行きつけの美容室の方にお願いしております。その為、人工的な雰囲気では無く、限りなくリアルに近い形で自分に馴染むウィッグを制作する事が出来ております。(全体のクオリティを上げる上で1番重要なのがウィッグだと感じます。)
衣装は、販売されている中で一番高価な物を選び、自身でリメイクを手掛けています。例えば、炎で燃やされた箇所は実際にガスバーナーで燃やしたり、斬られた部分はカッターで切ったりします。実際に起きた事象と重ね合わせる事がポイントです。
小道具は武器であれば秋葉原専門のお店によく行きますね。店員の方に作中のシーンを見せて、これに該当する武器はあるか聞き込みをします。それでなければインターネットで探したり、海外の通販サイトから取り寄せたりします。
大事なのは、自分の力でクオリティが担保出来ない箇所は無理に自分でやらず、他の力を借りる事です。

赤鬼

なるほど!クオリティをあげるために細かい努力をされているのですね!撮影に臨む際に意識していること(ポージング、表情、演技など)はありますか?

KON

ポージングや演技をする上で、そのキャラクターの特技の習い事を始めるところからスタートします。日本刀を扱うキャラクターなら殺陣教室に通い、お茶を立てるキャラなら茶道教室に通う、、みたいな
上述でも語っていますように、実際に起きている事象と重ね合わせると言う事をとても大事に意識しています。
土台が出来てきたら、そのキャラの立ちすがた、武器を構えた姿、座り姿に細分化して一つ一つのポーズを自宅の姿見を使って決定します。トレーディングカードゲームのデッキを作る様なイメージですね。笑
表情や演技についても同様で、例えば苦しい、疲れたときの再現をする場合は、撮影時に水分補給をしないで自分を瀕死の状態にしています。そうする事で演技では無い人間本来の味のある写り方になりますね。死なない程度に死ぬ気でやります。

赤鬼

とことんストイックですね….!そのスタイル素晴らしいです!

劇場版るろうに剣心:佐藤健 / 緋村剣心(撮影者:五十嵐赤鬼)
劇場版るろうに剣心:佐藤健 / 緋村剣心(撮影者:五十嵐赤鬼)
劇場版るろうに剣心:佐藤健 / 緋村剣心(撮影者:五十嵐赤鬼)
赤鬼

次に、これまでの活動の中で、特に印象に残っているイベントや撮影のエピソードがあれば教えてください。

KON

幕張メッセの大型サブカルチャーイベントで、国内大手動画サービスの生放送に出演した事です。そのイベントでは前髪に赤い刺し色を入れた有名な司会者の方にインタビューを頂き、るろうに剣心、緋村剣心の殺陣のアクションを披露しました。
その瞬間が私のコスプレが広く知られる一番のターニングポイントだったかなと思います。
その後の大阪の大型イベントでも同じサービスの生放送にたまたま遭遇し、再度インタビューを受けました。その時の放送を見返したら、「前のイベントにも出ていた方だ!」と覚えて下さっていたのが凄く嬉しくて印象に残っています。

赤鬼

それはコスプレイヤーとしてとても嬉しいですね!
次に、SNSでの発信についてお伺いします。どんなことを意識して投稿されていますか?またフォロワーとのやり取りで印象的な出来事があればぜひ!

KON

人対人のコミュニケーションありきの活動ですので、鮮度はとても意識していると思います。イベントに出席した際は着替えが終わり、会う準備ができたといういわゆる速報、場所を移動した時の連絡、イベントが終わった後のありがとうございました!などリアルタイムでの投稿はイベント時に意識していますね。
また、イベント後に撮影頂いたカメラマンさんから迅速に送られてきたデータはその日のうちか、次の日には投稿できる様にスピード感をもって投稿できる様に編集に取り組んでいます。データを提供する側も鮮度が大事だと言う事を理解してデータを直ぐに送って下さっていると思うので、その意図を汲み取って無駄にしない様に尽力しています。
次に、自分がよく採用する投稿の仕方としてそのキャラクターのセリフ付きで写真を投稿する事があります。写真とセリフのテキストを噛み合わせる事で、観覧者へよりエモーショナルな雰囲気を伝える事ができます。写真のシリアスさやユーモアをより際立たせるアクセントとして活用しています。

赤鬼

なるほど!次に、コスプレ活動において、KONさんが大切にしている信念や軸はありますか?

KON

「好きの自己表現」を大事にしています。
つまり自分の好きな物をとことん突き詰めて、体現する事です。
コスプレの本質は、「自分の好きな物を表現したい、それになりたい」というのが1番の動機であり軸であると思うので、自分が好きであるという気持ちは絶対的に不変としています。
そして同じ作品が好きな人に共有できたらその嬉しさやプラスの感情がどんどん広がるのではないかなと考えます。
ここが欠けている場合、受け手側にも表面だけというのが伝わってしまい、後一つ感動を届けることは出来ないと感じます。

赤鬼

受け手にも伝わるようにコスプレを表現する!素晴らしいです!
今後挑戦してみたいキャラクターやジャンルがあれば教えてください。
あわせて、活動の目標や夢があればぜひお聞かせください。

KON

私の夢は、コスプレ全体の文化に新しい価値観を作り、それを周知する事です。
よく小耳に挟む事として、性差の問題や本来のコスプレの本質を見失っている問題が界隈全体として度々見かけます。それらをとっぱらい、界隈全体を「老若男女全ての人が自分の好きを追求して認め合う事のできる神聖な場所」となるように、その指針であれるように私は今後活動していこうと思っています。
今後やりたいジャンルは今と同じリアルを感じられるようなコスプレで、今年の8月にそのイベントで1番目立つであろうコスプレをします。サプライズ的な発表スタイル好きなのであまり事前にこれをやります!!という発表はできないのですが間違いなく次が私の真骨頂となる作品になると断言できます。楽しみに待ってて頂ければ嬉しいです!

赤鬼

最後に、KONさんの活動を応援している読者や、これからコスプレを始めようとしている方々へのメッセージをお願いします!

KON

ここまで読んで頂きありがとうございます!
自分の活動指針や大事に思っている事が伝わって、誰かの価値観の指標になれたらとても嬉しいです。
これからコスプレを始める方は「自分の好きを表現したい」というきっかけできっと始めると思います。最初に抱いたその気持ちを大事にして持ち続けて下さい。そして会いに来てこの記事を読んだと知らせて下さい。めっちゃ喜びます。
また、自分を応援してくれている方々、いつも本当にありがとうございます。コメントなどのSNSでの反応や、イベントに直接会いに来てくれる事がとても励みになっています。応援していて良かったと思ってもらえる姿勢を見せるので、これからもついてきてくれると嬉しいです!
最後に、自分の想いを特集インタビューという形で世間に広げて頂くきっかけを作って下ったコスメディアの皆様、本当にありがとうございます。今度も是非、コスプレイヤーKONをよろしくお願いします。

インタビューさせていただいたコスプレイヤー様

KON 
X(@_Kuonkon
Twitch(kon__twitch

投稿者プロフィール

赤鬼
赤鬼代表&カメラマン
webcosmedia代表&ライター
2018年にコスプレ撮影を開始。
関東を中心にコスプレイベントに参加。
使用機材:Nikon D780

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました